新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止に関するお願い
新型コロナウイルス(COVID-19)感染予防および拡散防止のため、
下記についてご理解、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。
・熱がある、咳が出るなどの症状がおありの場合はカウンセリングをご遠慮いただきます
ようお願いいたします。また、現在当オフィスをご利用の方で、新型コロナウイルス感染症の
診断を受けた方はご連絡ください。上記に関連してのご予約日時の変更には、キャンセル料は
発生いたしません。
・心理士は感染予防、拡散防止のためマスクの着用をしております。カウンセリングご利用者様も
マスクの着用をお願いいたします。
・心理士は感染予防行動を励行し、体調不良の場合は出社を控える様にしており、健康
チェックを行っています。
Lear MoreSNSと心理的なストレス
Twitter、LINE、 Facebook、 Instagram、いずれもSNSと呼ばれるサービスですが、
これらのいずれもを一度も見たことも使ったことも無いという人はおそらくもういないのではないでしょうか。
それくらい現代社会においてSNSは人々の生活に不可欠なものとなっています。
心理学の世界においても、現代社会に暮らす人々の心理について考える時、SNSの影響はもはや触れざるを得ない
ものと言えるでしょう。
特にSNSにあまり馴染みがない世代からすればSNSでのコミュニケーションはまだしも、そこで友達ができると
いった関係性の発展には疑問を感じる面もあるでしょう。
「SNSでしかやりとりをしていないけれど非常に仲の良い親友がいる」と言われても、それがどのようなものなのか
理解しきれないかもしれません。しかし、現在ではこのようなSNS上の関係性はごく自然なものとなっています。
藤野(2017)は20歳前後の若者を対象に、SNSが「居場所」になり得るのかについての研究をしていますが、
SNSでの関係性は現実に知り合っている友人との関係性と同等の「居場所感」を有することが明らかとなっています。
ただし、現実の「居場所感」の方は、それが強いほどメンタルヘルスを示す心理的Well-beingが高くなる一方で
SNSの「居場所感」はそのような関係性が見られませんでした。
また、都筑ら(2018)はLINE、Twitterに関しては知人からの受信の頻度が多くなるほど使用時の不満度が増大する
ことを示しています。Instagramでは利用頻度が多いほど不満度が上がるようです。
もちろんSNSには積極的に利用することで人生満足度を向上させる効果があるなど良い側面を示した研究もたくさん
あり、非常に有用なコミュニケーションツールであることは間違いありませんが、使用する頻度や時間が増大
していく中で次第に自発性や主体性が失われると、いわゆるSNS疲れに繋がるのではないでしょうか。
現実の人間関係と同様に適度な距離感が必要なのかもしれません。
しかしSNSは現実と同じくらいに「居場所感」が得られるからこそ、それがストレスに感じた時「見なければ良い」
「SNSを止めればいい」などと簡単に切り離したり距離を取ったりできないものであるとも言えるでしょう。
SNS上の対人関係のストレスにおいても現実の人間関係上のストレスと同様に、個人的な問題だからと抱え込まずに
他の誰かに相談する、話を聞いてもらうことを考えてみるのも良いのではないでしょうか。
引用文献;
藤野千種 (2017) SNS を介したインターネット上での心理的居場所と well-being の関連
神戸大学発達・臨床心理学研究, 16, 14-18.
都筑学,宮崎伸一, 村井剛, 早川みどり, 永井暁行, & 飯村周平. (2018).
大学生における SNS 利用時における心理的ストレスの研究―LINE, Twitter, Instagram の比較を通じて―.
中央大学保健体育研究所紀要, 36, 33-59.
Lear More怒りと上手に付き合う「アンガーマネジメント」
ここ数年、芸能人や政治家が自分の問題を改善するために取り組んでいることが
ワイドショーなどでも取り上げられ、何かと耳にすることが増えてきた「アンガーマネジメント」。
TVに取り上げられるような大きな事件やトラブルになることは無くても、
人と喧嘩や言い合いになってしまいやすい、そこまでするつもりはなかったのに相手を非常に強く叱責してしまう、
と言った経験に悩んでおられる方もおられるのではないでしょうか。
怒りへの対処法は「アンガーコントロール」「アンガーマネジメント」など様々な呼び方がありますが
これらは、いつでも怒りをオフにできる、とか、全く怒りを感じない人間になる、ということを
目指すわけではありません。もともと怒りは脳の本能的な反応で、他の感情と同じく必要なものです。
怒りを全く感じなければ脅威から自分を守れなくなってしまいます。もちろん、怒りの感情を抑え込める
ようになることを目指すわけでもありません。
体験されている感情を無理やり抑え込もうとすることは、かえって気持ちを落ち込ませたり身体にも余計な
負担がかかってしまったりと、あまり良くないことが分かっています。
無理に怒りを抑えるとうつ病になりやすくなる、と言った報告もあります。
「アンガーコントロール」「アンガーマネジメント」の目的としては「怒りの感情と上手に付き合う」と
いった表現があり、感覚的にも理解しやすいのではないかと思います。
怒りの対処法について、Meichenbaumは以下のようなステップをあげています。
①認知的準備期:怒りが喚起される状況の前と最中の考え方を、合理化、組織化する。
②スキル習得期:アサーティブトレーニングやソーシャルスキルトレーニングなどを通じて
状況に異なった方法で対処することを学ぶ。
③適用訓練期:学んだスキルを想像、ロールプレイ、あるいは実際の場面で実践に移す。
怒りの対処法については現在様々な方法が発展してきていますが、その多くが最初のステップとして
「怒りに対する認知=考え・考え方・信念」へのアプローチを取り入れています。
怒りの状況や自分がどうしてその時に怒ったのかということについて客観的に見られるように
なっていくということです。怒りを感じた当初は「怒らせた相手が悪い!」としか考えられないかも
しれませんが、怒りはあくまでも自分の中で起こっているものです。
そこにはあなたが持つ独特の「考え方・信念」があるかもしれません。
アンガーマネジメントに関しては、沢山の本が出ておりますので、お手に取って読んでみるのも良いでしょう。
引用文献:
清水栄司. (2018). マンガでわかるアンガーコントロールガイド. 法研.
エマ, ウィリアムズ, レベッカ, バーロウ. (2012). アンガーコントロールトレーニング: 怒りを上手に抑えるためのステップガイド. 星和書店.
OZAWA, Yuri, et al. 感情制御とマインドフルネスがアンガーマネジメントに及ぼす影響.
ぐるぐる思考、考え込むことをやめられないのはなぜ?
人間は他の動物と比べて考えることが非常に上手な生き物です。
しかし、時に考えることが止まらなくなって、同じような、考えても仕方がないような
ことをぐるぐると考え込んでしまうことがありませんか?
「どうして自分はこんな風になったんだ」
「あの時、もっとああしておけば良かったのに」
「来週の発表がうまくいかなかったどうなってしまうだろう」
「もしあの人に嫌われたらどうしよう」
「これから先うまくやって行けるのだろうか」
など、済んでしまった過去のことや、もうこれ以上考えても仕方がないような未来のことを
考え込んでしまったりします。そうすると、気持ちはとても落ち着かなくなります。
もし眠ろうとしているところだったら眠気はどこかへ行ってしまい、
仕事中であれば仕事は手につかなくなってしまうでしょう。
こういったぐるぐる思考のことを、心理学では「反すう(rumination)」と呼んでいます。
反すうは、抑うつや不安、それ以外のストレスと強く関連しており、反すうをすることによって
落ち込みや不安な気持ちがより強くなったり、そのような辛い気持ちが持続しやすくなったりします。
日常的に反すうを行う人の中には、反すうが「役に立つ」、または「それをしないともっと悪いこと
になる」といった間違った認識を持っている場合があることが分かっています。
当たり前だと思ってやっているその「反すう」が本当に自分の役に立っているのか、
少し距離を置いて客観的に、見直してみるのもよいでしょう。
有名なプレゼンテーション番組TEDでも、この反すうについて取り上げたプレゼンがあります。
反すうをどのように扱っていけたらよいかのヒントが得られるかもしれません。
もし、自分一人では反すうを止めることが難しいと感じたら、当オフィスまでお気軽にご相談ください。
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