心理カウンセリング②
それでは心理カウンセリングとはいったい何なのでしょう。
心理カウンセリングでは、クライエント(相談に来た人)の悩みを聞く、
話を聞くといったことが基本になっています。
日常でも家族や友人に悩みごとは相談するという疑問はあると思いますが、
それでも45分の間、集中して自分の悩みについて話をするといった機会は、
日常でもなかなか持つことが出来ません。また、同じ悩みを継続的に話し
ていく場というのもなかなか無いと思われます。
同じ悩みの話を同じ人にし続けていると、相手に嫌われてしまう、
周囲に避けられてしまうという不安を感じてしまうことが多いです。
さらにそういった悩みを聞くために特別な訓練を受けた専門家(臨床心理
士、公認心理師等)に話し続けることで、自分への理解が促進され、悩みが
より明確になって解決すべき課題が浮かび上がってきたリ、悩みが整理され
ていったりする傾向があります。
心理カウンセラーはそういった作業を安全に行い、根気よく付き合っていく
ための訓練を受けている専門家です。
もちろん、診察の中でも悩みを相談することはありますし、お話をきいてく
れることもあります。しかし、患者の診察をした上で、悩みを聞くための時間
を確保することは困難な場合が多く、医師が十分に出来ない悩みの相談に乗る
部分を専門的に行うのが心理カウンセリングと言えるのではないでしょうか。
Lear More心理カウンセリング①
前回は診察について説明をしました。
では、カウンセリングはどうでしょうか。
前回のブログでも少し触れたように、カウンセリングという言葉そのものは
自由に使うことが出来ます。美容カウンセリング、学習カウンセリング等、
資格がある場合もあれば無い場合もあり、カウンセリングと言えば、一般的
には相談を受ける行為ということで使われています。
我々が行っているのは、その中の心理カウンセリングという領域ですが、
心理カウンセラーとはだれでも名乗ることが出来ます。
しかし、その中でも以前もブログで触れた臨床心理士、公認心理師は、
法律的に、その資格を持たないものは名乗ることが出来ません。
臨床心理士と公認心理師は国家認定資格と国家資格の違いはありますが
(詳しくは当ホームページブログの臨床心理士と公認心理師についてを
ご参照下さい)こういった資格を名称独占(その資格を持った者しか
名乗ることができない)と言います。
なので、臨床心理士、公認心理師と名乗っている場合は、その個人が
資格を持っていることが前提になります。
Lear More診察とカウンセリングの違いについて
以前、「カウンセリングとは」の記事を掲載しましたが、いくつかご質問を
いただいていたので、4回に分けてもう少し詳しく掲載していきます。
意外と多く受ける質問として、カウンセリングと診察の違いがあります。
それは質問とは違う形であっても、診察とカウンセリングに違いを明確にご存じない方が、
診察のつもりでカウンセリングを希望される場合もあります。
なので、この場をお借りして、カウンセリングと診察の違いについてお伝えできればと思います。
まずは診察ですが、これは医師のみが行う医療行為です。
例えばAさんが医療機関を受診し医師の診察を受け、診断を下し、治療します。
これら太字で書いた部分は法律(医師法)によって医師としか行うことが出来ない医療行為で、
弁護士等と同じ業務独占(その資格を持った者しか出来ない業務)の資格となります。
なので、もし発達障害やうつ病、適応障害といった診断が必要な場合は、医療機関を受診して、
医師に診察を受けていただき、診断を受ける必要があります。
また、医療行為である投薬治療(特定の薬を処方する行為)も、診察で医師しか行うことが
出来ません。もちろん、診察の中で患者の相談を聞き、指示や指導、アドバイスを行うと言った
カウンセリングと重複する部分も多くありますが、カウンセリングとの明確な違いは
医療行為かどうかというところにあります。
ただ、国家資格として公認心理師ができたこともあり、医療施設や医師の指示で行う
カウンセリングも医療行為の一部として扱ってよいかもしれません。
次回は「心理カウンセリング①」です。
Lear More自分史づくりとカウンセリング
先月になりますが、このようなニュースがありました。
もともと認知症予防として活用されていた自分史づくりが、
就活での自己分析や、自己PR、社員研修などに役立つとして注目されている
といった内容でした。
実際に「自分史 就活」で検索すると自分史作りを紹介する様々なサイトがヒットします。
いくつかのサイトを見てみると、自分史づくりの目的は「自分の過去を振り返り
自分の行動パターンや大事にしている価値観を見つける。再認識する。」ことのようです。
さらには、そうすることによって自分の強み、アピールポイントを見つけることができれば
そのまま就職活動に活かすことができるわけです。
確かに人は、自分がこれまでどんな経験をしてきて、それが自分にとってどんな意味を持って
いたのかといったことは、案外深く考えずに生きてきているものです。
「自分史づくり」を通して、自分の意外な行動パターンや価値観にはじめて気が付くというのは
決して珍しいことではないでしょう。
このような「自分史づくり」は、カウンセリングのはじまりと似たところがあるかもしれません。
カウンセリングでも、最初の数回のセッションをかけて、その方のこれまでの歴史をお聞きして
いくことがよくあります。これはただ儀礼的に昔の話をしてもらっているわけでも、過去に問題が
あるせいだと決めつけたくて聞いているわけでもありません。
これをするのにも様々な理由があるのですが、「これまでの行動パターン」や「人との関係の持ち方
のパターン」「大事にしてきた価値観(生き方のパターン)」を知っていくというのは、
その理由のうちの大事なひとつです。
ただしカウンセリングの場合は、そうすることによって自己PRを作成するためではなく(そうである
場合もあるかもしれませんが)その情報をカウンセリングにやって来られた方が「今、現在」困って
おられる事柄の内容と照らし合わせながら考えていくことに活かしていきます。
現在の困りごとが過去のパターンと意外なほどよく似ている、ということがままあるからです。
そのように最終的な目的には違いがありますが、「その人のパターン」を知っていくという点では
就活での自分史づくりとカウンセリングのはじめに過去のお話を聞くことは共通している部分が
あるのだと思います。
その意味では、カウンセリングの数回のセッションはカウンセラーと一緒に自分史づくりをしている
といった見方もできるのかもしれません。
Lear More自分にはどんなカウンセリングが合うの?
カウンセリングには様々な技法がありますが、どれが自分の悩みごとにとって
合っているのか、分からないという方も多いのではないでしょうか。
実際にカウンセリングには様々な技法があります。
精神分析的な方法では、面接場面での関わりを通してその方の無意識の葛藤や
問題を解明していきます。
認知行動療法は、問題を具体的にして、様々なワークや宿題を通してその問題の
解決を目指します。
来談者中心療法というカウンセラーは耳を傾けることに専念し、その方自身が
気付きを得ることをめざす技法もあります。
どのような技法が合うのかについては、その方自身の希望もあるでしょうし
問題の内容によっても異なります。長年疑問に思ってきた自分自身の内面を
深く理解されたい方もおられれば、今、目の前にある問題の解決策を見つけ
たい方もおられるでしょう。
ただ、何れの技法であっても、カウンセラーが一方的に「こうしたらいい、
ああしたらいい」と指図するというよりは、その方が目の前にしている問題を
その方自身で考えて乗り越えて行けるよう、一緒に歩んでいくという立場は
共通しています。
もしカウンセリングを検討されていて、自分の悩み事にどの技法が合うのか
分からないという場合には、まずはそのことについてお気軽にご相談ください。
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