家族関係のカウンセリング
私たちにとって最も身近な人間というと、ほとんどの方にとってそれは「家族」となるのではないでしょうか。
最も身近な人間関係であるがゆえに、家族との人間関係についての悩みは多く、そしてとても辛く、苦悩するものです。
「親」
子どもにとって、親と言う存在は、最初は世界そのものであり、次第に対等な人間となり、
その後はケアする対象となっていきます。ライフサイクルによって関係も距離感も変化していきますが、
その距離感についての悩みはとても多いものです。
もう大人になって、子どもの頃よりは自由なはずなのに、どうしてこんなに捉われてしまうのかという苦悩があります。
親との関係性というものは、そこに様々な感情をまとって、強く長く子供に影響を与え続けるものです。
「子」
親の立場となった時の子どもに対する苦悩というのもあります。子どものことを好きになれないという
悩みは意外にも多いものです。そこには、「子どものことを常に好きでなければならない」という思い込みや、
社会通念のようなものもあるでしょう。子どもにとって良い親でなくてはならないというプレッシャーも存在します。
そのほかにも、自分の子どもを通して、かつての自分と親との関係性を見てしまう。
または、かつての自分と親との関係を繰り返したくないという不安、恐れといった苦悩もあります。
「パートナー」
パートナーという関係性についての悩みは、これまでも度々触れてきましたが、様々なライフサイクルの変化を
最も身近な位置で、共に乗り越えていく文字通り「パートナー」としての関係性があります。
その距離感は、同じ家族であっても、親や子供と比べて変化しにくく、身近である場合が多いでしょう。
しかし、ライフサイクルや直面する問題を通して、関係性は変化し、お互いに様々な葛藤を抱えることになります。
街中や自分の周りを見回すと、どの家族も幸せそうで、仲睦まじく見えるかもしれません。
家族は社会から閉じた関係性であるため、そう見えるのは当然ともいえるでしょう。
家族関係についての苦悩は他者には見えにくく、それだけに自分一人で抱えて苦しむことが多いものです。
家族のような身近で、個人的な人間の悩みを話すなんて恥ずかしい、情けないと思う必要はありません。
むしろそこに、周りの友人や同僚には話せない、自分の苦しさがあるかもしれません。
カウンセリングでは、このような家族に対する、長く続く苦悩をまずはじっくりお聞きしながら、
どうして、家族との関係がこんなに苦しいのかを理解することを目指します。
身近にいるからこそ、また、「家族なのだからこうでなくては」「家族とはこれが当たり前なのでは」という
思い込みによって、自分がその関係性の中で捉われているものが何なのか、
冷静に整理することができないことはよくあります。
その悩みの理由は、カウンセラーもじっくり話を聴いて、一緒に考えていかないと分からないことです。
苦しさの理由を整理できたときに見えてきたものから、どうしたら楽になれるか、今度は話し合っていきます。
「離れたら」は簡単にできることではありません。家族を追求し、謝罪させられたとしても得られる気持ちは
一時的かもしれません。
カウンセリングを通して、過去ではなく今も苛まれている苦悩を、これまでのように一人で抱え込むことをせずに、
共に考え取り組んでみるのはいかがでしょうか。
Lear Moreほんとはどうなの?睡眠についての気になるアレコレ
睡眠は人間の生活にとってとても大切なもので、睡眠は生活習慣病をはじめ、うつや不安など、
様々な疾患のリスク要因や維持要因になっています。日本の睡眠の問題によって生じる経済損失は
年間15兆円とも言われていますし、実際に私たちはいつも眠れる飲料や豆知識を求めています。
そんな私たちの関心事「睡眠」についての気になるあれこれを、今日はいくつかご紹介していきましょう。
「8時間は寝ないとだめなの?」
「8時間神話」などと言われていますが、実際には8時間寝ないとダメということはなく、
人によって最適な睡眠時間は違い、成人では6~8時間が良いとは言われています。年代によっても異なり、
子どもはもっと長い時間が望ましく、高齢になると床上時間の長さがむしろ問題になります。
また、なかなか寝付けないと翌日のパフォーマンスが不安になってきてしまうものですが、
毎日の睡眠時間と日中の不適応感は、想像しているほど強く関係していないと感じる人も多いです。
「お休みの日に寝だめしたら1週間乗り切れる?」
休日の「寝だめ」は健康リスクにつながりやすいと言われています。休日にいつもより大幅に
起床が遅くなると、体内時計が40分後退すると言われています。ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)
と言われる状態です。休日に寝だめして、月曜日の朝がいつもだるいと言う場合、
仕事が嫌でだるいんだと言うよりも(それもあるかもしれませんが…)、ソーシャル・ジェットラグかもしれません。
ただし、平日いつも睡眠が足りていない場合には、休日に長く寝た方が死亡リスクは悪化しないという研究もあります。
平日寝る時間が作れないのなら、休日は多少は寝坊してもいいので、午前中にはひとまず起きて、
しっかり朝日を浴びるようにしましょう。
「眠れなくても布団に横になっていた方が良いの?」
布団の中で寝つけずかえって気が焦ってしまったり、寝付けないために布団の中でスマホを見るなど
活動をしてしまうことがあります。不眠傾向の場合は特に、「布団は眠くなった時にだけ行く場所」と
体に覚え直させることが大切です。そのため、30分寝付けなかったら布団を出て、明るすぎない部屋で
読書(スマホではなく)をしたり呼吸法をしたりしてみましょう。自然に眠気が出てきたら布団に戻る方が、
布団の中でモヤモヤとしているよりもずっと睡眠の近道です。
「睡眠時間は足りてるはずなのによく眠れた感じがしないけど?」
睡眠時間が足りているのによく眠れた感じがしなくてなんかだるい、という場合、
日中と夜間の覚醒(しゃきっとする時間)のメリハリがしっかりついていないことが
原因の場合があります。その場合、日中は脳をしっかり覚醒させることが大切です。
朝起きたら30分ほど散歩をする、移動中はエスカレーターを使わない、バスや電車では座らない、
もっとアクティブなエクササイズを取り入れる、頭を使うパズルや脳トレをじっくりするなどをしてみましょう。
そのほか、よい睡眠につながること、いくつか試してみましょう
・寝る1時間前には、明るい場所、テレビやPC、スマホを見るのはやめましょう。
・朝は日の光を浴びることを意識して、日中は身体と脳をしっかり使いましょう。
・軽い読書、ストレッチ、呼吸法など、寝る前のルーティンをつくりましょう。
・寝る1~2時間前にお風呂に入りましょう。夜のお酒、たばこ、カフェインは控えましょう。
「それはわかっているけど、できないんだよな」というのもとてもよく分かります。けれど、
苦しいですけど試してみると、睡眠の質が次第に良くなっていくのが体験できると思います。
いつもこの時間には眠くて仕方がないのに、今日は眠気がないな…。と気が付けたら、
きっと気持ちも少し軽くなっていきます。
実感できるまではどうしても苦しいですが、思い切って試してみましょう。
Lear More悩みごとも、まずはAIに相談を?
皆さんは日常にどの程度AIを活用しているでしょうか?
家にはAIスピーカーが居て、朝の支度をしてくれて、明日の天気や、お気に入りの楽曲を
演奏してくれているかもしれません。床の掃除はAIを搭載したロボットがこなしてくれますし、
出かける時にはGoogle Mapが様々な交通手段を網羅した、最適な経路を提案してくれます。
外国語はGoogle翻訳やDeepL翻訳に任せれば、日本語以外でのメールの返信に悩む必要はまずありませんし、
英会話を習いたければ、AIが相手になってくれるアプリが24時間会話に付き合ってくれます。
現代社会に生活する中で、AIと全く関わらずに過ごすことはあり得ない状態になっていると言ってよいでしょう。
この文章はAIを使用せずに、「手書き」で書いていますが、AIに任せてしまえば、これよりももっと整っていて、
情報の多い魅力的な文章をきっと書いてくれるはず。
AIとの会話については、誰にでも触れるカジュアルなものだと10年位前からチャットボットが
登場していましたが、当時はまだ会話としてはぎこちないし限定的で、「AIと会話っぽい遊びができる」
以上のものではありませんでした。AI翻訳もまだまだ不十分で、公的なやり取りにそのまま使用するのは
とても危ういレベルでした。
しかし、それからの10年でAIは瞬く間に進歩して、あっという間に私たちの日常に溶け込んでいきました。
ChatGPTを代表としたAIの能力は素晴らしく、作業の手間を省いていくれる助手としてだけでなく、
日常的な相談相手、一緒に考えてくれる相手、は、これ以上ない存在となっています。
AIとの会話の利点はいくらでもありますが、まずは他の人に話すのにはちょっと躊躇するような事柄でも、
何の抵抗もなく話せるということです。
これは深刻な話と言う意味に限らず、例えば「今日のご飯どうしようかな」とか、
「今日休みだけど何にもすることないな。どうしよう…」といった、「こんな小さい個人的な話を、」
あるいは「こんなまとまってない話を、」わざわざ誰かに言うのもな…といった意味合いの内容であっても、
躊躇なく聞けるということです。
またもう一つの利点として、そういった思わず頭から漏れ出たようなつぶやきであっても
「ピーマンが余っているなら炒め物、マリネ、おひたしなんかどう?」
「一人の休日には映画マラソンなんかおすすめですよ!」みたいに、面倒くさがったりせずに、
即座に明確な答えを提供してくれることです。
もちろんもっと悩ましいストレスにも、AIは即座に何かしらの答えや提案を示してくれます。
例えば、「怒鳴ってくる上司が怖くて出社したくないんだけど、どうしたらいいと思う?」と尋ねると、
すぐに5種類の提案をしてくれます。その提案の中に「相手とできるだけ距離を取る」とあったので、
「でも直接やり取りすることが多いんだよね」と言えば、さらにより状況にあった提案をし直してくれます。
そうしていると、なんとなく冷静になって、対応の方法が浮かんできたりするものです。
それはまるで誰かを相手に相談しているようでもあります。
悩みごとはまずはAIに相談するという人は、これからも増えていくでしょう。
感情に共感してくれることすら、AIはとても上手です。AIに相談することで解決する悩みが増えれば、
それだけこの世界から悩みが減っていくことになります。
皆さんも、困ったことがあったら、ひとまずAIに相談してみるのはいかがでしょうか。
解決まで求めなくても構いません。ただどんなことに悩んでいるのか、今どんな気持ちなのかを、
AIのチャットに書いているだけで良いのです。そうしてみて、それでもなんだかうまくいかないな、
しっくりこないな、と思ったら、カウンセリングを検討してみてください。
すぐに「答え」を提案してくれるAIにない発見もあるかもしれません。
それが何なのかについては、実は心理学の世界でもどんどん明確には言えなくなっていっているのですが、
言葉にできない、していない、気づかずに覆って自分自身からも隠している何か、辛さ。
少なくともそういったものを、「答え」というより、一緒に探すことは、
カウンセリングでやっていけると良いかもしれません。
※上の記事の例ではClaude無料版(https://claude.ai)を利用しています。
Lear More『知ることと意識すること』
春の花というと、みなさんはどんな花を思い浮かべるでしょうか。
『キュウリグサ』という花をご存知ですか?
3~5月頃に咲く花で、道端や空き地、アスファルトの隙間、公園など身近なさまざまな場所で見ることができます。
花びらは淡い水色で、花の中心は黄色く、とても愛らしい花です。名前からは想像がつきにくい姿かもしれませんね。
『キュウリグサ』という名前の由来は、葉をもむとキュウリのようなにおいがすることにあるそうです。

ただ、これほど身近にある花ですが、あまり知られていないのではないでしょうか。
キュウリグサの花は2~3㎜程度ととても小さいのです。そのため、身近にはあるけれど
、なかなか気づかないかもしれません。
かくいう私も、『キュウリグサ』という花の存在を知るまでは、こんなに可愛らしい花に気づかずに
ずっと通り過ぎていました。しかし、花の存在を知ってからは、春は私の中ではキュウリグサの季節でもあり、
今ではすぐに見つけることができます。
意識すると、世界や日常の風景の見え方が変わります。
今まで見えていなかったものが、目に入るようになります。
それはカウンセリングでも同じです。
自分の体験や感情を言葉にしていくことで、今まで気づかなかった自分に気づくようになったり、
これまでとは違った見方や捉え方ができるようになったりします。
そうすると、自分自身が少しずつ変化していきます。
自分についてより深く知り、自分と向き合うことは、いつも新鮮で面白い体験になるとは限りません。
しかし、寒く厳しい冬を乗り越えて、春になると花が開くように、乗り越えたその先に、
必ず何か実りや得るものがあることでしょう。
Lear Moreカップル間の要求/撤退パターン
カップルや夫婦、パートナーとの関係がうまくいかない。
パートナーのせいで負担を強いられている、という悩みを持ってカウンセリングに来られる方がいます。
夫婦関係の問題は非常に古く、古代ローマの時代から夫婦喧嘩を守護する女神が居て、
古代ローマ人の夫婦は、お互いに不満が溜まってくると、二人で女神の祠に向かったと言います。
その女神の祠には「女神の前ではどちらか片方ずつしか口を開いてはならない」というルールがあったのだそうです。
しかしこれは、昔の人間を知るほのぼのとした逸話というよりは、それくらい古くからパートナー関係の維持は困難で、
人生の悩みの主題となり続けてきたことを示しているのでしょう。
最近の研究の結果としても、結婚一年目をピークにして、パートナー関係は歳を追うごとに、
残念ながら、基本的には悪化していくことがわかっています。
そこで近年、「カップル間の要求/撤退パターン」というパートナー関係のある悪循環に焦点を当てた
カウンセリングが注目されています。
カップル間の要求/撤退パターン
夫婦関係の研究では古くからよく知られた現象で、カップルの一方が他方に強く要求・批判し
もう一方がそこから守りに入ったり引き下がるというコミュニケーションのパターンのこと。
(三田村研究室 X @Mitamura_Lab より引用)
上の三田村研究室での一連のポストをお読みいただいた方が早いのですが、カップルが男女であった場合、
女性が要求側、男性が撤退側になることが多いことが、古くから確かめられてきたと言います
(それがどうしてなのかなど、こういったことが色々ポストされていて、学びになる上に
とても興味深いのでフォローおすすめ)。
いずれにせよ、このパターンが繰り返されていくと、次第に関係性が悪化していくという典型的な流れがあるようです。
さて、そこで関係性を改善していくために大切なのは、カップルの中でこのような構図ができていることは、
純粋にどちらか一方が「要求や批判ばかりで悪い」あるいは「逃げてばかりの態度が悪い」
ということではないと言うことです。
あくまで二人の関係性であって、そこに「どちらが悪い」は存在しないと言うことです。
全く異なる2つの態度ですがそこには1つの共通点があり、ある意味では二人で一緒に、その関係性を作っています。
その共通点とは、相手の表面的な感情に翻弄されていることです。
これまでの研究で分かってきていることは、カップルの関係性を改善していくときに、
どちらか一方だけが変化する、または「こういうルール作ってそれを守りましょう」、ということは
根本的な解決にはならず、お互いの内面、「本当はどういう気持ちがあったのか」ということをお互いに気が付き、
自然に相手への思いやりが浮かぶような関係性を構築することです。
お互いを見るときに、怒っているけどそれはどうしてだったのか、その背後にはどんな気持ちがあるのか。
黙っているけどその背後にはどんな気持ちがあるのか、そこに目を向けてみましょう。
「怒り」「無感情」とは全く違った気持ちが、そこにはあるのかもしれません。
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