カウンセリングは何回くらい来ないといけないの?
カウンセリング・心理療法を検討されている方によくいただくお問い合わせの1つに
カウンセリングは何回くらいやると考えておけばいいのか?というものがあります。
カウンセリング・心理療法というのは、言葉ではなじみがあると思いますが、
お受けになるのは初めて、と言う方がほとんどでしょうし、周りにカウンセリングを
やったことがあるかどうかを尋ねる機会というのもあまり無いでしょう。
お医者さんに行けば「どのくらいで良くなりますか?」と聞きたくなるのと同じように
どれくらい通ったらいいのか気になるのは当たり前のことです。
しかし残念ながら、カウンセリング・心理療法は、そのようなお問い合わせに
だいたいにせよ「何回くらい」とお答えすることが出来ないのです。
カウンセリング・心理療法を受けになる方は非常に様々なお困りごとを抱えて
お越しになります。
例えば同じ「気分が落ち込む」というお困り事であったとしても、お話を伺うと
体験されている内容はその方によって異なります。「気分が落ち込む」なら
大体このくらいで終わるかなと早合点してしまうとすれば、その予断はかえって
その方のお困りごとを理解する妨げになってしまうかもしれません。
実際には、まずお越しいただいてどのようなお困りごとがあり、また
それをどの程度解決したいのか、どの程度楽になれたらよいのか、と言う
ご要望をお聞きしながら担当のカウンセラーと話し合っていきます。
「どのくらい来ることになるのか」のおおよその目安を図るとしたら、
そのような関わりの中でになります。
このように、詳しいお話をお聞きする前に「何回くらい」とお答えすることは
非常に難しいのです。
それは認知行動療法などであっても変わりません。
認知行動療法の場合は、厚労省から発行されているプロトコルがあって
それは16セッションで構成されていますから、どうしても何回くらい来る必要が
あるのか目安を聞きたい、という場合は、それくらいを目安として
お答えすることがあります。
しかしながら実際にはプロトコルを使用するかどうかを考えたり、プロトコルを
使用するにせよプロトコルの通りに進むわけではありませんし
人によってやはり回数は様々です。
ただしその反面、カウンセラーから「何回来なさい」と回数を一方的に指定され
その回数来なければいけない、ということももちろんありません。
お越しになられた方とカウンセラーとの間で話し合って
1回で終わりになることもあるかもしれません。
まずはお越しいただいてどの程度なら来られそうか、どのくらい来たいと思っているのか
と言うことも含めて、不安に思われていることは何でも話してみていただければと思います。
Lear More行動を変えて気持ちや気分の改善を試みよう!―行動活性化のススメ―
みなさんは、気持ちが落ち込んだまま、なかなか改善せず困ったことはありませんか?
また、何とか気分を変えようと思っても、なかなか上手くいかずに苦労したことはありませんか?
今回は、気持ちや気分を変えるための方法として『行動活性化』をご紹介します。
①気持ちと行動は,どのように関係しているのでしょうか?
ポジティブな感情には、行動の範囲を広める力があります。逆に、ゆううつや不安などの
ネガティブな感情を経験すると、ずっと考え込んだり、同じ失敗を避けようとしたりして
行動の範囲が小さくなってしまいます。
そのため、ネガティブな感情を適宜ポジティブな感情に切り替えようと、人は考え、
取り組もうとしていきます。
さて、みなさんは「気持ち・気分」と「行動」のどちらが変えやすいと思いますか?
正解は➡「行動」です。
気持ちや気分は簡単には変えることができませんが、行動は比較的簡単に変えることができます。
②どうやったら気持ちや気分を変えられるでしょうか?
気分や感情が改善するのを待っていても、いつになるかは分かりません。
逆に、先に行動を変えれば、感情や気分の変化もそれについてくるかもしれません。
なので、気分にかかわらず行動することが大切です。つまり、活動することを通して
気分の改善を図っていきます。やる気が起きるまで行動をしないのではなく、
行動を通してやる気を呼び起こしていくように心がけてみましょう。
③では、具体的にどんな行動をすれば良いでしょうか?
まずは、ご自身が「過去に取り組んだことある、気分が改善した行動」を思い出してみましょう!
新しいことを探したり始めたりすることは、時間がかかったり慣れるまでに苦労が必要になってしまう。
そのため、今までやったことのある行動から選んで、取り組んでみることがポイントです。
〈何かをする行動〉
❖好きなことをする(漫画を読む、映画を観る)
❖整理整頓をする(カバンの中を整理する)
❖先延ばしにしていたことを片づける
❖人と連絡する(長らくあっていない友人に電話する)
❖運動をする(ウォーキング、ストレッチ、ヨガ、筋トレ)
❖手作業をする(掃除をする、料理をする)
❖芸術的な作業をする(絵を描く、楽器を演奏する)
〈何もしない行動〉
❖何もしない(ぼーっと空や景色を眺める)
❖リラックスする(ゆっくり風呂に入る、入浴剤を入れる)
❖暗い気分にそぐわない、実際にできそうなことをする(持っている一番明るい服を着る、鼻歌を歌う、スキップする)
❖楽しそうな人を見つけて同じ行動をする
④行動するときのポイントと注意
・すぐに簡単にできそうな、ほんの少しの小さなことをから取り組んでみてください
・具体的に,可能な範囲で,計画を立ててみてください(いつ?どこで?誰と?どのように?どこまでやるか?)
・大きくて難しそうな行動は、なるべく小さく分けて1つずつ取り組んでみてください
(例:家の掃除をする計画を立てる→机の上を片づける→ひとつの部屋を片づける)
今回は、行動活性化について少しご紹介しましたがいかがでしょうか。
何か些細なことからで構いませんので、自分の気持ちや気分が切り替えたいと思った時に
ぜひ取り組んでみてください。
そして実際に取り組んだ時に「うまく気持ちや気分が切り替えられた行動」
「喜びや達成感が増えた行動」は、これから大事にしていきましょう。
ここから、あなた自身の「オリジナルの気分転換の方法」を探していくための良いスタートが
きれたのではないでしょうか?
しかし、物事はそう簡単にうまくいかないこともあります。
「どうしても気持ちが落ち込んでしまって変えることが難しい」「たくさん取り組んでみても上手く
気持ちがきりかえられない」など、困ってしまったら、お1人で考え込まずにしてください。
ご自分1人ではどうにもならない時には、誰か周囲の人に相談する必要があるでしょう。
カウンセリングをその相談の手段の1つとしてお役に立てる場合があります。
まずは、お気軽にお電話等で当オフィスにご連絡してみてください。
Lear More新型コロナ感染症と心の悩み、夫婦関係、親子関係について
昨今は新型コロナ感染症に伴い、長時間自宅で過ごされる方が多くなっていると思われます。
出かけようにも遠くへ行くのは不安だし、感染の危険もあることから、外出を控えたり、
テレワーク等で出勤しなくなって、どうしても自宅でいる時間が長くなります。
そうなったとき、今までは適当に外で発散していたフラストレーションが溜まってしまい、
結果的に家の中に表出されてしまうことがあります。そうなると、家の中の空気が
ギスギスしてしまい、さらにストレスが溜まってしまうといったことになるかもしれません。
しかし、長時間家にいることはマイナスな影響しかないのでしょうか?
実は今まであまり家でゆっくりと一人の時間を過ごせていなかったり、夫婦や親子で顔を
合わせる時間が少なかったといった方々は結構いらっしゃると思います。
特に夫婦関係や親子関係の場合、今まで見えていなかったことが見えて、新しい発見となり、
そこからお互いの理解がさらに深まって関係性が深まるといったことを時々耳にします。
ただ、今まで外で適当に発散できたことで、あまり見ないようにしていたお互いへの不満や、
家族や夫婦の中で抱えている問題といったことが表に出てくることもあります。
そうすると、相手への不満や怒りが強くなったり、不安が強くなったりしてしまい、
強いストレスを感じるようになってしまうこともあるかもしれません。
しかしこういった状況は、自分たちが抱えている問題を自覚し、その問題に向き合うことが
できるチャンスでもあると思います。
現状への不満や不安は、現状を何とかしたい、変えたいというモチベーションに繋がりやすく、
そういったモチベーションをうまく使うことで、今まで未解決でいた問題が解決したり、
解決しないまでも取り組んだりできるようになることもあります。
そういう家族関係や夫婦関係、親子関係の問題に取り組むためには、
まずはお互いがじっくりと話し合い、お互いへの理解を深めることが必要です。
しかし、話がかみ合わなかったり、ケンカになってしまったりとなかなかじっくりと
話し合うことが難しい場合があります。そういった悩みを持った方々が、
よくカウンセリングに来られることがあります。
カウンセリングでは問題や悩みへの理解を深めるサポートをしています。
カウンセリングは問題の解決を保証するものではありませんが、理解が進むことで問題が整理され、
今後どのようにしていけばよいかについてのお手伝いをしていければと思っております。
Lear Moreストレスに自分で対処する(コーピングとは)
私たちは日々生きていると様々なストレスに見舞われます。
出かけようと思ったら雨が降っていた、風邪をひいて具合が悪いのに
出勤しないといけない(これはコロナ禍では大分少なくなったかもしれません)
ちょっと苦手な人と会わなければいけない、などなど、仏教では四苦八苦と
言ったりする通り、生きていることはストレスの連続です。
私たちはそのようなストレスに日々対処しながら生活しています。
そのようなストレス対処のことをコーピングと呼びます。
コーピングにはいくつかのタイプがあると言われています。
研究によってその分類は様々あるのですが、Folkman と Lazarusによる最も基本的な
タイプ分けは以下の通りです。
①問題焦点型コーピング
直面した問題(ストレス)を直接解決しようと試みることや解決に向けて
誰かに相談するようなコーピング。
②情動焦点型コーピング
ストレスフルな情動をひとまず安定させることに焦点を当てたコーピング。
気分転換や視点の切り替えだけでなく、気晴らしなども含まれる。
基本的にはストレスに対して問題焦点型コーピングを試みることがストレスの改善には
最も役立ち、情動焦点型のコーピングはあまりよくないとされてきました。
しかし、その後の研究では、情動焦点型コーピングの中でも、そのコーピングを積極的、
意図的に取り入れている場合はストレスに対して効果があることが分かってきました。
また、問題焦点型コーピングを使っている人は、同時に視点の切り替えや気晴らしなどの
情動焦点型コーピングも上手に取り入れている傾向があるという結果も出てきました。
要するに、自分の気分を調整するために使用するコーピングは、それを「逃避や回避」として
行うのではなく、積極的、肯定的に取り入れることが大切ということのようです。
コーピングは「柔軟さ」や「レパートリー」が大切とも言われます。
問題解決に向けて取り組むことは大切ですが、そんなに簡単に解決する問題ばかりではない中で、
そればかりだと精神がすり減ってしまうかもしれません。
また、解決不能だと分かった時には情動焦点型に切り替えた方がストレスに
対処しやすくなることもあるでしょう。
自分が普段どのようなコーピングを使用しているか、誰かに相談したり、おいしいものを
食べたり、ネットで検索したり、様々な方法があると思います。
のレパートリーをできるだけ増やすことが多様なストレスに柔軟に対応するために役立ちます。
現在の自分の対処資源を再認識するためにも自分のコーピングレパートリーを一度リストアップ
してみましょう。
Lear Moreカウンセリングを受けるかどうか悩むとき
カウンセリングや心理療法という言葉は、きっとどこかで聞いたことがあるでしょう。
どんなことをするのかも何となくですがイメージがあるかもしれません。
しかし、いざ自分がカウンセリングを受けるべきかどうか、受けた方が良いのか
どうかと考えるとそのタイミングというのは案外分かりにくいものです。
メンタル面で疲れたり心が苦しくなったりといった、いわゆる心理的な問題を
抱えている時がカウンセリングの利用を考えるタイミングとしては最も多いと
思いますが、そういった心理的な負荷というのは自分からも他者からも
見えにくい面があるからかもしれません。
咳が止まらなかったり、ケガをしたり、歯が痛くて顔が腫れてきたりしたら
お医者さんに受診しようとするでしょうし、髪の毛が伸びて邪魔になってきたら
美容院を予約すると思います。
行くべきかどうかに悩むことはそんなにないでしょう。
それらはどれも「これくらいのケガ」とか「このくらいの髪の長さ」とか
自分でも普段の自分との違いやその程度を比較でき、他者とも共有しやすい
指標があるからではないでしょうか。
でも、自分の心がどの程度疲れているか、気持ちがどの程度苦しいかは
自分自身でもわかりにくいですし、他者との共有はなおさら難しいものです。
そのため「これくらいでカウンセリング何て大げさではないかな」
「こんなことを話したらくだらないと思われないか」という考えに
繋がりやすいのではないかと思います。
カウンセリング、心理療法を受けるタイミングとして確かにはっきりとした
指標があるわけではありません。
ですが、受けるかどうか悩むことがあれば、その時点でカウンセリングを受ける
タイミングにあると言っても良いでしょう。
職場のストレスチェックが義務化されて久しいですが、それはメンタルヘルスに
おいては早期発見、早期対応がその後の改善や再発防止に大きく
影響する重要なことだからです。
それでもやっぱり「カウンセリングを受けるべきかどうか」と
悩むことがあれば、カウンセリングを受けるべきかどうかについて
ぜひお気軽にご相談ください。
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